だれ一人取り残さない社会の実現をめざしています

白光荘の名前の由来


「白光荘」の名称は、仏説阿弥陀経の「青色青光・黄色黄光・赤色赤光・白色白光」の中から、それぞれの蓮の華からそれぞれの光を出し、いずれも美しく、その香りは清らかであるように、また、汚泥の中から清らかに咲く「白蓮華」のごとく、いつの日か美しい華を咲かせることを願い、大慈大悲のみ仏の光に照らされて、報恩感謝のうちに生きていくことの大切さを示しています。

 

「わたしと小鳥と鈴と」

           金子みすゞ

 私が両手をひろげても、

   お空はちっとも飛べないが、

 飛べる小鳥は私のように、

   地面を速く走れない。

 私がからだをゆすっても、

   きれいな音は出ないけど、

 あの鳴る鈴は私のように、

   たくさんな唄は知らないよ。

 鈴と、小鳥と、それから私、

  みんなちがって、みんないい。

 

 

 

 

 

更生保護事業について


 西本願寺白光荘は、法務大臣の認可を受けた更生保護法人が運営する更生保護施設です。更生保護施設は、刑務所や少年院などから釈放された人や保護観察中の人などのうち、頼るべき家族や帰る家のない人などを保護観察所や家庭裁判所から委託されて収容保護し、その自立を促し、更生を助けることで犯罪を防止し、地域社会の安全と社会福祉に寄与する施設です。

 現在、更生保護施設は民間経営施設が全国に103施設ありますが、女性専用施設は僅か7施設しかありません。

 西本願寺白光荘は、7施設のうちの1施設として被保護者に宿所や食事を提供し、自立更生に必要な指導助言を行い、その更生を図ることを目的として運営し、個々の問題性に応じた処遇プログラムを実施するとともに、本人に適した就職先の提案や住居の確保など、自立のための援助を行っています。

 また、更生保護女性会や本願寺派寺族婦人会等のボランティアの協力を得て、自己肯定感や自己効力感を高める「なりたい自分になる講座」を実施しています。

 

 

 

施設の構造


■建物の構造

鉄筋コンクリート造り2階建て 1棟

延べ床面積 911.26㎡

■定員

20名(成人女子15名、女子少年5名)

■施設の概要

1階<冷暖房完備>

 事務室、宿直室、面接室、教養娯楽

 室、食堂、厨房、倉庫、便所、集会

 室(地域住民との共生をはかり交流

 の場として広く提供)、他

2階<冷暖房完備>

 居室20室(個室)、洗面室、洗面

 洗濯室、便所、多目的コーナー、他

 

 

事業運営について


 事業については、理事会及び評議員会によって決定運営され、被保護者の補導その他の実務には、施設長及び施設職員があたっています。

 事業費は、国からの委託費と設立母体である西本願寺の補助金を主な収入源とし、その他関係団体や篤志者からの寄付金等によってまかなわれておりますが、国からの委託金は現員現額制であるため、決して楽観を許さない運営状況にあります。

 

 

沿革


◆昭和27年3月

浄土真宗本願寺派が、京都市左京区吉田の土地建物を無償で提供し、更生保護会を設立。「財団法人西本願寺白光荘」の事業開始

◆昭和44年8月

老朽化に伴い、現在地に新築・移転

◆平成8年9月

更生保護法施行に伴い、「更生保護法人西本願寺白光荘」に組織変更

◆平成17年3月

老朽化に伴い改築、現施設竣工

◆平成17年5月

定員15名から20名に増員して事業再開

◆平成21年4月

自立困難な「高齢・障害」出所者等を保護する特別処遇施設に指定

◆令和2年12月

薬物依存回復訓練「SMARPP」が法務大臣の定める「特定援助」に認定

 

 

 


「おかえり」の一言が    欲しかっただけ・・・

「あんたなんか、帰ってこんほうがエエのに・・・。あんたがいたら、家の中グシャグシャになるわ・・・」

少年院を仮退院したその日に、お母さんに言われた。わたしの居場所なんぁどこにもなかった。寂しかった。悔しかった。一年間過ごした少年院を出る時、『こんなに変わった私を見て!絶対がんばるから。信じて!』って心に誓っていた。大好きなお母さんにだけは、わかって欲しかったのに・・・。「おかえり」の一言が欲しかっただけやのに・・・。涙がこぼれそうになった。そのまま夜の街に飛び出した。